04FSCW第7号
2004年9月8日

食品安全委員会委員長 寺田雅昭様
プリオン専門調査会座長 吉川泰弘様
リスクコミュニケーション
専門調査会座長 関沢純様

食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子

要請書
「食品安全委員会BSE報告書(9月6日案)の撤回を求める」

 9月6日に貴委員会のプリオン専門調査会が、20ヶ月齢以下を念頭におき「若齢牛では、BSE感染牛を発見することは困難」との報告書(「日本におけるBSE対策について−−中間とりまとめ(案)」)を論議した。食品安全委員会のBSE国内対策の見直しに関する報告書案は04年7月に「たたき台」が提示され、8月6日には修正案が論議され、この報告書が第3次案にあたる。この第3次案を修正した最終案が9月9日にも食品安全委員会本委員会で受け入れられる可能性もある。

 この報告書は次のように、矛盾に満ちており、消費者・生産者の意向を無視して今後の日米政府間BSE協議での米国牛輸入再開の露払いとなるおそれがある。私たちは、下記の理由によりこのような報告書を認めることは絶対にできない。貴委員会はこの報告書をすみやかに撤回し、今後も科学的なBSE対策の検討を慎重に行うことを強く求める。

1. 9月6日報告書の非科学性:
20ヶ月齢以下の牛を全頭検査の対象から除外することにつながる表現は撤回すべきである。9月6日報告書案の「4結論」(3)の「20ヶ月齢以下の感染牛を現在の検出感度の検査法によって発見することは困難であると考えられる」との言いぶりは、9月6日のプリオン専門調査会の議論にあったように、本文の慎重な検討からは導き出されない。結論で表現できることがらはこれまでのBSE対策で得られた知見にとどめ、一定月齢以下の評価を行うべきではない。20ヶ月での線引きは報告書の内容からしても科学的根拠は存在しない。むしろ最近の研究によれば若齢牛の異常プリオンの検出が可能となる見通しが報道されている(8月29日付、日本農業新聞ではカリフォルニア大のプルシナー教授、セーファー助教授の検査方法を報じている)。全頭検査の継続の必要性こそ強調すべきである。

2. リスクコミュニケーションの形骸化:
4月20日、4月26日、8月4日、8月18日、8月27日などに、貴委員会委員、関係府省と消費者等とのリスクコミュニケーションの会合が開かれ、多くの消費者から全頭検査を当面継続し併せてSRMの除去徹底、フィードバンの徹底などが要請された。こうした声を軽視し、若齢牛の検査の排除につながる今回の報告書の採択はリスクコミュニケーションそのものの意義を認めないことになり、リスクコミュニケーション専門調査会を含め貴委員会が謳う食品安全行政そのものと矛盾する。

3. 輸入牛のリスク評価が必要:
食品安全委員会は9月9日の本委員会での本報告書の審議にあたり、リスク管理機関たる厚生労働省、農林水産省、BSE問題に関する日米政府間協議を担う外務省などに対して、本報告書は、日本国内のBSE対策に限定したものであることを明言すべきである。また米国牛の輸入再開問題に関しては、米国のBSE対策のリスク評価が必要であり、食品安全委員会はその作業に取り組み、リスク管理機関は、その作業が終了するまでは安易に米国牛の輸入再開を認めるべきではない。なおマスメディアにおいて食品安全委員会の報告書の公表がただちに米国産牛の輸入再開に結びつくとの先走った報道がある。そうした報道に結びつく情報をリークさせることがあってはならない。

連絡先:東京都新宿区早稲田町75
日本消費者連盟気付
食の安全・監視市民委員会事務局
電話 03-5155-4765 fax 03-5155-4767

◆活動報告トップページに戻る