食の安全・監視市民委員会 第4回総会を開催しました

 2003年4月に設立総会を開いて活動をはじめた、食の安全・監視市民委員会は、内閣府食品安全員会及び各専門調査会の食品健康影響評価(リスク評価)審議の傍聴を続けてきました。
 行政への質問、直接交渉等、事業者・企業に対する申し入れや公開質問提出等の活動も行っています。毎年の定期総会では、活動報告を行いニユース『食の安全ウオッチ』に掲載しています。
 今年の第4回総会は、4月22日(土)、東京の国民生活センターで開催しました。ここでは、山内一也さんの記念講演の要約と2006年度活動方針、特別決議を掲載します(総会報告は7月発行の第10号ニユースで会員にお届けします)。
記念講演『米国産牛肉は安全か?食品安全委員会はどう論議したか』
講師 山内一也さん 日本生物科学研究所主任研究員
          前食品安全委員会プリオン専門調査会委員
 BSEの安全対策については、BSEの牛を市場に出さないこと、食肉に回さないこと、全頭検査を行うことが大切です。日本では全頭検査、特定危険部位の全頭からの除去、それにトレーサビリテイを実施するなど、ほぼ万全の対策がとられています。こらは科学的にも合理的なものです。
 これに対して米国では、特定危険部位は肉骨粉の原料となるなど飼料規制が緩やかです。1日2500頭も処理すると畜場で検査員(獣医師)は1人、資格認定検査員と称する研修を受けた従業員も10人ほどしかいません。トレーサビリテイ制度はなく、牛の年齢判定は肉質判定によっています。BSE検査はリスク牛の5%しか実施していません。

 こうした日米間の対策の違いを食品安全委員会は評価しましたが、それに先立ち、国内対策の検証が行われ、04年9月に「中間とりまとめ」が公表されました。この結論をまとめる際「20ヶ月齢以下からはBSEが発見できなかった」と事実を述べたか所は、私は削除しようとしました。しかし、食品安全委員会としての答申には「20ヶ月齢以下は発見できなかったことを考慮に入れるべきである」との文言が吉川座長と事務局によって加えられ、こらが米国産牛肉の輸入再開の条件として用いられました。
 米国産と日本産の牛肉を比較する安全性評価はの報告は、2005年12月8日に提出されました。私はその結論は「リスクの科学的同等性の評価は困難」と考えましたが、、「他方輸出プログラムが遵守されると仮定した場合、リスクの差は非常に小さい」との文言も付け加えられ、その遵守の責任は厚労省・農水省にあるとしたのです。
 しかし、国民の意見を十分反映することなく12月12日に輸入再開を日本政府は決定し、06年1月20日に特定危険部位の脊柱が混入していたことがわかり、また輸入停止措置がとられたのです。

 「リスク分析」にあっては、食品安全委員会はリスク評価を科学ベースで行い、牛肉輸入再開などの総合判断は管理機関たる政府が国民などとリスクコミュニケーションをしながら行うべきものです。しかし、政府は、輸入再開の根拠として、食品安全委員会の「科学的」結論を理由としたのです。
 また、OIE(国際獣疫事務局)のBSE対策のルールが科学的だとして持ち出されることがありますが、ここは米国の影響も強く受けており、BSE検査は30ヶ月齢以上でよいとするなど経済性を重視したものに他なりません。

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