10FSCW第11号〜23号
2011年3月30日

青森県知事 三村申吾 様
秋田県知事 佐竹敬久 様
岩手県知事 達曽拓也 様
宮城県知事 村井嘉浩 様
山形県知事 吉村美栄子 様
福島県知事 佐藤雄平 様
東京都知事 石原慎太郎 様
茨城県知事 橋本昌 様
栃木県知事 福田富一 様
群馬県知事 大澤正明 様
神奈川県知事 松沢成文 様
千葉県知事 森田健作 様
埼玉県知事 上田清司 様

食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子


緊急提案「放射能汚染された野菜畑の措置について」

 東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故の激甚な被害に対する関係各位のご努力に敬意を表します。
 東北地方・関東地方の多くの農地で、放射能汚染が発生し、葉物野菜を中心に、摂取や出荷を停止する措置がとられた地域・作物も多くあります。

 これから、この地域では播種の時期を迎えると思いますが、今作付けされているホウレンソウなどを、基準値を上回り出荷停止になった、基準値は下回ったが風評被害で売れない等の理由で、出荷できなくなったからといって、トラクターで畑鋤き込むことは危険です。

 畑に降ってきた放射性物質は、水に溶けて吸収され作物の根・茎・葉と地上部の表面に集中しています。また、畑地の土壌の表面にも放射性のチリが集中しています。これを鋤き込んでしまうと、畑の土壌全体に放射能汚染を広げてしまい、除去が困難になります。さらには、作業の際に上がるほこりには同濃度の放射能が含まれ得るため、農家の人の身体に取り込まれて内部被曝を引き起こす危険があります。

 畑の作物は、いましばらくそのままにしましょう。ホウレンソウなどがせっかく精一杯に身体を広げて土壌の放射能汚染を防いでくれているのです。そして、土壌に吸収された放射能は、土壌水分と一緒に野菜たちに吸収されます。
 ですから、開花・結実するまで育てて置き、その後で完全な防御装備を纏ったしかるべき人たちにこれらの植物を収穫してもらい、放射性産業廃棄物として処理してもらうことが、最善でしょう。

 そもそも、土壌中の有害物質の除去方法として、植物の力を借りる方法が有効であることは、すでに公知の事実なのです。例えば、アブラナ科植物、とくにセイヨウナタネなどは、昔から世界的に干拓地の塩類除去に最適(平気で育ちながら吸収する)とされ、オランダなどで干拓地に最初に植える作物はナタネということになっています。そして、今日では、諸種の土壌汚染を植物で修復すること(ファイトレメディエーション Phytoremediation)の研究が、学問的(育種学を含む)にも技術的にも進んでいます。なお、いま特に問題となっている、セシウムやヨウ素は、それぞれナトリウム、塩素(食塩の成分ですね)と化学的によく似た性質を持っています。しかし、これらの放射性物質が植物の根や茎葉表面から、植物体にどれだけが、どのように吸収されるかは、研究が進んでいませんから良く分かりませんが、チェルノブイリ原発事故の際にセイヨウナタネやヒマワリなどの栽培で、放射性物質を減らす試みがなされています。
 そこで、当面の緊急措置として、以下のことを周知徹底するよう提案します。


1.今後のことを考えると、出荷できない畑の「鋤込み」はしない。

2.土壌汚染が続くので、土壌の表面の作物をそのままにして作物で土壌を守った方が土壌汚染は少なくなる(土壌に浸透した放射性物質は、植物に吸収される)。また、表土は動かさない方がよい。

3.いったん土壌が放射能汚染されると、放射性ヨウ素131の放射能の半減期は約8日と短いが、セシウム137は半減するのに30年、ほぼなくなるまでには300年かかる。

4.放射性物質の拡散汚染がやんだ時点で、作物だけを特別な方法で汚染物質として処理する。

5.場合によっては、今後、放射性物質を吸収しやすい作物を播種して青刈りすることを繰り返すなど、専門家の助言に従った措置を講じて、「表面の作物で土壌を汚染から守る」という防護策をすすめることがいちばん良い。

6.春播き作物については、雨や風向きなどを考慮して、裸地の田畑にはどんどん播種を進め、以後、放射性物質が大量降下する場合には上述のような措置をとる。


以上

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