TPP交渉からの撤退を求める特別決議


 
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、今年夏前までの全体合意をめざすとして、いま大きなヤマ場を迎えています。特にアメリカとの二国間交渉では、農産物で一方的に譲歩を重ね、4月末に安倍晋三首相が訪米し行われるオバマ米大統領との首脳会談において、強引に合意を図ろうとしています。日米が合意すれば12カ国全体の妥結にもつながることも予想されます。

 2013年4月、衆参の農林水産委員会では、農林水産物の重要品目関税撤廃を認めないことや食の安全・安心、安定生産の確保、投資家が国等を訴える事が出来るISD条項反対などを決議し、それが確保できない場合は、交渉からの脱退も辞さないものと決議しました。しかし、この間、政府は十分な情報を開示せず、国民的議論を行うことなく、性急に交渉を進めてきました。このまま交渉を続けるならば、さらなる譲歩を余儀なくされ、多くの農産物や食料の輸入が増大し、食料の安定供給をはじめ、国土や環境の保全、地域経済の活性化など多面的機能の発揮に重要な役割を果たしてきた農業・農村が崩壊してしまうことは火を見るよりも明らかです。


 また、それは安全・安心な食を求める私たちの運動にとっても大きな問題です。これまでもアメリカ等から、遺伝子組み換え食品の表示制度の撤廃や米国産の牛海綿状脳症(BSE)に関わる輸入規制の廃止、食品添加物の認可拡大など、食の安全に関わる規制の緩和が求められてきました。TPPは、各国の独自の規制や基準の撤廃・均一化など、究極の自由化を求めるものであり、国民の安全・安心、地域や環境が脅かされることは明白です。

 TPPは農産品・食品に限らず、地域経済・雇用、医療、さらには司法権など国家主権をも脅かすことになります。それは、憲法が保障する「知る権利」や健康や生命に関わる生存権、幸福に生きる権利を侵害するものであり、「TPP交渉の差止・違憲訴訟」を起こす準備も進められています。
 私たちは、国民の総意に基づく国会決議が守られないことは明らかである以上、TPP交渉からの即時撤退を求めます。また、これまでのTPP交渉および日米協議の内容の開示を求めます。


2015年4月18日
食の安全・監視市民委員会第13回総会参加者一同


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