「風評被害」の解消策に子どもたちの学校給食を利用することと
各地の原発の再稼働に反対する特別決議



 近ごろ、「風評被害」の解消策として学校給食の食材に農産品を使い、「学校給食での地産地消」を大々的に宣伝する例が散見されます。しかし、新基準値100 Bq/kgを下回り出荷制限が解かれても、数10 Bq/kgもの放射性セシウムを含む原木しいたけが食材に供されたりしますから、放射線感受性の高い子どもたちの健康リスクが心配です。チェルノブイリ原発事故の現地では、毎日わずか2ベクレルの摂取でも8割の子どもたちに複数の病徴が発症しています。

 2011年4月、政府は農水省が中心となり、東北地方の被災地産品を「食べて応援しよう!」とキャンペーンを始め、今に至ります。しかし、行政による農林水産品の日毎の放射能検査件数は、福島県でさえ事故の年に約40件、今も百数十件と少なく、ほとんどが非検査品ですから、放射能汚染の可能性のある食品まで「食べて応援」で、市民が不安がるのは当然です。しかも、厚労省は、新基準値を超える事例が減ったからと、検査対象品目を年々減らしています。去る3月20日発表の『食品中の放射性物質に関する「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」の改正について』によれば、本年度の東北・関東など17都県で重点的に行う放射性セシウム検査対象品目は、きのこ・山菜類、米、大豆、そば、はちみつ、乳、牛肉などと一部の魚類だけです。


 「地産地消」は農と食の基本です。しかし、「地産地消」で数10 Bq/kgもの放射能汚染食材を学校給食用に提供して地元産の農産物の販売促進を図ることは、子どものためにも消費者のためにも絶対に避けるべきです。本来、原発事故で農家が蒙っている甚大な被害は東電と政府に補償させることが基本です。
 私たちは、「原発事故子ども・被災者生活支援法」の理念どおりに、すべての被災者・被害者を緊急に救済するよう、政府に強く要求します。


 福島原発事故が証明したとおり、原発は過酷事故が起れば広大な国土を修復不可能なほどに放射能汚染させ、幾十万、幾百万の人びとの生活を根底から激変させます。東電がときどき公表するとおり、今も福島原発は空中に大量の放射性物質を放出し、放射能汚染水が陸と海に流出し続けています。

 そもそも原発は、正常運転中でも周囲の環境に放射性物質を放出し続け、かつ使用済み核燃料など高レベル放射性廃棄物の最終処分方法が未確定ですから、後世に大量の負の遺産として何万年も引き継ぐことになります。しかも、廃炉するとしても、良くて数十年を要するのですから、再稼働は以ての外です。
 私たちは、政府と財界が原発を「重要なベースロード電源」と位置づけることを改め、環境基本法の精神に則り「予防原則」を基本原則として、速やかに脱原発を基本方針とするよう、強く要求します。


2015年4月18日
食の安全・監視市民委員会第13回総会参加者一同


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