TPP協定の批准に反対する特別決議



  環太平洋経済連携協定(TPP)は、昨年10月5日に「大筋合意」が発表され、今年2月4日に12ヵ国の政府代表による署名が行われました。今後、各国では協定の批准・承認を行うことにしています。安倍内閣は、関連法案とともに協定の承認・批准をねらっています。

 しかし、協定案の内容は、私たちの命や食、暮らし、地域を脅かすだけでなく、参加各国の人権や主権も踏みにじるものであることが明らかになっています。農産物では、コメなど残された関税もやがては撤廃されることが必至です。これにより、日本農業が衰退し、地域社会の崩壊につながります。さらに、食料の自給率向上や安全に関わる政策も放棄し、世界な食料危機が続くなかで、国民生活の基盤を脅かすものです。
また、食の安全も、衛生植物・検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)では「必要以上に貿易制限的でない方法でリスク管理を行う」点が強調され、日本の厳しい規制基準がこの協定の運用によって、甘い国際基準や輸出国の基準にとって代わられることが危惧されています。貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)においても、各国の規格の策定に関して他国や事業者が関与できる道を開くなど、事業者に有利な基準に緩和されることが懸念されています。これらは、日米二国間協議や日本政府の自主規制によってすでに実施されているものも多く、さらなる規制緩和につながるものです。

さらに、投資家が相手国政府を訴えることが出来るISDs条項や、農産物や工業品などのモノの貿易以外のサービス関連貿易、一度自由化した後は元に戻すことが出来ないラチェット規定、「国有企業」に関する規定、医療・医薬品価格の高騰を招く知的財産権規定など、TPPは市民の権利、国家の主権を奪い、グローバル企業が利益を得る仕組みを作るものと言わざるを得ません。

 そもそも、交渉過程を記録した文書などが公開されておらず、影響を受ける多くの市民はもとより、協定の是非を議論する国会議員でさえ、その内容を充分に検証できません。このような状態のまま批准を強行することなど、とうてい認められるものではありません。交渉経過も含め、内容についての全面的な情報公開と、国会などでの徹底した論議が必要です。
 私たちは、内容はもとより、民主的な手続きの上でも、TPP協定の国会批准に強く反対します。
 以上、決議します


 2016年4月23日
食の安全・監視市民委員会第14回総会参加者一同


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