19FSCW第1号
2019年4月11日


厚生労働大臣 根本匠様

 

食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子


 
抗議声明「米国産牛肉・牛肉製品の月齢基準撤廃に反対します


 2019年4月1日、厚生労働省は牛肉輸入に際して米国、カナダ、アイルランド産の牛肉、牛肉製品のこれまでの30カ月齢以下という規制基準を撤廃する方針を固め、パブリックコメントを経て、今後新基準とするとしています。これは食品安全委員会が2018年11月27日、米国産牛肉等についての30カ月齢という輸入条件を撤廃する報告書をまとめ、その報告書を受けて決定したものです。

しかし、この決定は以下の問題点を含み、また、この4月から始まる日米貿易協議での検討事項中、米国産牛肉・牛肉製品の規制撤廃の米国側の要求を受け入れる政治的意図があり、消費者の食の安全をないがしろにするものであり、認められません。

 記

 
1、食品安全委員会の評価書は、現在実施されているリスク管理措置(米国でのBSE対策)として飼料規制、サーベイランス(BSE感染牛がどれくらいいるかを調べる抜き取り調査)、と畜前検査(牛が歩行困難かどうかをチェックするもの)及びSRM(異常プリオンがたまりやすい、頭部・扁桃・せき髄・せき柱・小腸の一部を特定危険部位という)除去の規制が行われていることが前提である、とも述べています。
米国では牛の肉骨粉を豚や鶏の餌に利用してもよいとされています。頭数が多いこともあって全頭検査は行われていません。と畜前検査のずさんさもこれまでいくつも指摘されています。SRMの除去は30カ月齢以上の牛のものに限定され、すべての牛のSRMを規制する日本に比べて甘くなっています。これに対して、日本では牛のトレーサビリティが徹底され、10桁の番号の耳標をすべての牛につけ、その素性がわかるようになっています。日米のこうした違いを含め、BSE対策の現状を日本政府は米国に行ってしっかりとチェックすべきですが、今回はそれも行われていません。


2、米国の要求の一つである、米国産牛肉の輸入条件をいっさいなくすための露払いともなっています。牛のBSE検査などについて、月齢基準をなくすことになると、未だにBSE発生が確認され、また飼料規制も問題があるとOIE(国際獣疫事務局)の専門家会合でも指摘されている米国産牛のリスクに日本の消費者がさらされます。


3、米国USTR(アメリカ合衆国通商代表部)は2019年3月29日、2019年度版「外国貿易障壁報告書(NTE報告書)」を公表し、「米国の牛肉及びその製品では月齢30カ月以下まで日本はこれまで条件を緩和したが、さらに月齢条件そのものを撤廃すべきだ」と要求しており、今後の日米貿易協議でこうした要求が持ち出されることは明らかです。



以上

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