19FSCW第19号
2019年12月6日


内閣総理大臣 安倍晋三様


 

食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子


 
抗議声明「日米貿易協定・デジタル貿易協定批准は許されない」




 「日米貿易協定・デジタル貿易協定」承認案は、11月19日の衆議院に続き12月4日の参院本会議で採決が行われ、自民・公明・維新の賛成多数で可決されました。審議時間は衆・参を合計してもわずか20時間程度で、次のような多くの問題点が残っており国民の納得できるものではありません。私たちはこうした暴挙に抗議するとともに、これらの協定の批准を直ちに撤回することを求めます。



 


1、わずか5カ月の秘密交渉によって日米首脳間で合意されたこれらの協定は、国会においても必要な資料を提出することがないまま短時間で採択されました。日本政府がトランプ政権におもねるため最大の譲歩をおこなったことは国民も問題視しており、国会審議でもその疑問は払しょくされませんでした。

2、農畜産物の関税問題においては、日本の市場開放がさらに進み、国内農畜産業に多大な悪影響を与えます。具体的には牛肉のセーフガードの発動が困難になり、農産物のさらなる市場開放も行われるおそれがあります。日本政府の農業への影響試算は誤った前提で行われ意味をなしません。

3、工業製品においては、日本の自動車・部品の関税撤廃は何も約束されておらず、今後米国の追加関税や数量規制も容認してしまいました。

4、こうした米国の行為を認めたことはWTO違反であり、米国の関税撤廃率が不十分であることもWTO違反ですが、これに対して日本政府は交渉中批判もしていません。

5、本協定が発効する期日は米国に有利なように勝手に変えることができ、TPP11の加盟国と同様の恩恵が米国に与えられることになっています。

6、協定発効後4カ月以内に本格交渉が始まり、関税以外にも貿易上の制限の規制撤廃が行われるおそれがあります。米国では、2019年6月11日の米国大統領令「バイオ農産物規制の枠組の現代化」により遺伝子組み換え・ゲノム編集食品の市場化が広がり、それが日本政府の規制緩和に影響を及ぼしています。さらに、米国通商代表部(USTR)の要求するサービス・投資分野など22の分野において今後の交渉が行われると、日本の国民生活に悪影響がもたらされます。

7、デジタル貿易協定では、日米のデジタル企業に有利なルールが敷かれました。すなわち「デジタル製品に関税をかけないこと」「国境を超える企業が持っている消費者データの移転の自由を認めたこと」「車の自動運転プログラムなどのソースコードなどを政府が開示請求できないこと」「コンピューターサービス提供者の損害賠償の免責」などです。このことは目下世界でルール作りを進める中で、悪い先例となります。

以上

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