newsletter No.8
No.8
2005年11月15日
目 次
・FSCWの活動
・やさしい「農」生物学(3)
・トピックス
・食品安全委員会の答申は問題だ
・食品の重金属汚染
・コーデックスバイテク特別部会開かれる
・裁判官は神様?遺伝子組み換えイネ
・FSCW運営委員紹介
・FSCW運営委員会報告
・事務局から
巻頭言
郵政民営化などという、小泉純一郎以外の人にはどうでも良い事柄で、突然衆議院が解散され総選挙になりました。その結果、非常に残念なことがいくつも起きています。
たとえば、カネミ油症被害救済対策を求める誓願署名が、審議未了で終わってしまったそうです。たくさんの方が署名され、衆議院に上程されたのに、それが全部無駄になったというのです。そんなバカな話しがあるか、と誰でも思います。署名を集めた努力はどうなるのでしょう。もう一度署名を集めなおせということらしいです。
これはまさしく、小泉政権にとって、社会的弱者はどうでも良いということの端的な表れです。これから増税が始まり、さらに消費不況は加速されると思います。
大きなタワーマンションが都心部に立ち並び、新聞の折り込みチラシは分厚くなりました。バブルの再現のようですが、逆に市民生活は落ち込んでいます。そのことを最も実感しているのはタクシーの運転手さんだそうです。
経済的に困窮したことのない二世・三世議員には、庶民の苦しみが分からないのです。
さらに今回、カネミ救済や食品安全問題に取り組んでいた複数の民主党議員が落選してしまいました。
前号の巻頭言で書いたナイシンZも、一緒に厚労省をプッシュしてくれた議員が落選したら、その後さらに出てきた同種添加物の規制も動きません。
厚労省はラクティスエイド問題を受けて、都道府県などの衛生主管部に、今後気を付けるようにとの通知を発しています。
ところが秋田県総合食品研究所が「白神の乳酸菌 作々楽」という名前で、同種の物を大々的に売っているのです。
このチラシには「バイオプリザベーション 食品の日持ち向上に役立つ」(抗菌物質ナイシン)などと、多くの機能が書かれています。そして作々楽を利用したうどん、わさび漬けなどが売られているのです。
ホームページには、「作々楽は世界遺産の白神山地で悠久の時を静かに過ごした大地からの恵み・・・バイオプリザベーションとは、微生物を使用して食品の保存性を向上する技術で、世界中で開発が進められている最先端の分野です。」などの記述があります。
さらに今度は、別の会社のナイシンがチーズにも使用されようとしているとのことです。食品の保存効果を高めるために使用されるものは、「食品添加物・保存料」であることをきちんと踏まえ、添加物は指定制であることを徹底してほしいものです。
協和香料化学が指定外香料を使用したため、たくさんの食品が回収され、協和香料化学が倒産したのは、一体何だったのでしょうか。ごく微量の香料より、抗菌性物質の方がよほど怖いのに、天然の乳酸菌からとったものだから安全、などという理屈で堂々と違法がまかり通るのはおかしいと思います。
食品安全委員会がナイシンのリスク評価をしていることを、開発業者が知らないはずはありません。ラクティスエイドが違法なら、作々楽も違法でしょう。
牛肉問題、ナイシンなど、食品安全委員会は無視されているに等しいのに、委員の方達はなぜ怒らないのでしょうか。実に不思議です。
(神山美智子)