newsletter No.9

No.9

2006年3月20日

 目  次

・FSCW総会のご案内
・FSCWの活動記録
・参議院農林水産委員会の傍聴報告から
・やさしい「農」生物学(4)
・米国産牛肉の再輸入を許してはならない
・トピックス
・新刊案内
・FSCW運営委員紹介
・事務局から
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 ライブドア事件以後、新聞などに「潮目が変った」という論調が目立つようになりました。ライブドアは小泉改革が生んだ正真正銘の子どもであることを、多くの人たちが気づいたということなのでしょう。

最も驚いたのは読売のナベツネさんです。ニュース23の対談で、「次期総理は誰でも良いが、靖国参拝をしないこと、市場原理主義者を閣内に入れないことが大事」と言っていました。この人いつからこんなまともな人になったのだろうかと思ってしまいました。 小泉批判本も出版され、藤原正彦氏の『国家の品格』はベストセラーになっています。霞が関官僚が、名前を出して霞が関を批判した本も出されました。

アメリカについても、モンゴル帝国以来の最強帝国という論も、アメリカ幕府(日本は外様大名の筆頭で加賀前田家とか)という論も雑誌などで見かけます。
最近読んだ本で興味深かったのは『アメリカは正気を取り戻せるか』(東洋経済新報社)でした。クリントン政権の労働長官だったロバート・ライシュという人の著書です。この本を読むと、アメリカは巨大なカルト教団で、日本はその信者だという気がします。アメリカは市場原理主義だけでなく、キリスト教原理主義まであり、常識的に考えたらほとんど狂気の世界ではないかとすら思えるのです。若い人たちの婚前セックスを禁止したり、未婚で出産した女性への生活保護を打ち切ったりなどしているようです。

小泉はブッシュのペットと言われていますが、ペットは飼主から衣食住を保障されます。ペットが飼主にお金を差し出すのは、「ここほれワンワン」の犬くらいです。しかし私たちの小泉首相は、私たち国民のお金も命も安全も、全部差し出しています。これはペットではなく奴隷です。

アメリカだけを見て日本人を見ない総理と、これを指示する国民。私は小泉政権ができたとき、イソップ物語のカエルの王様を連想しました。かっこよい王様だと喜ぶカエルを、鷺の王様はパクパク食べ尽くします。
イラク自衛隊派遣、郵政民営化、耐震偽装、アメリカ産牛肉問題、今まさに私たちは、アメリカというカルト教団に、生け贄のように捧げられているのです。
早く止めないと、私たちの生活は根底から破壊されます。 一所懸命生きて努力しているのに、負け組はリストラされても自殺しても当然、という風潮などおかしいではありませんか。

(神山美智子)