newsletter No.12
No.12
2007年3月16日
目 次
・トランス脂肪酸アンケート報告
・オーストラリアとのFTA交渉の問題
・不二家の期限切れ原料使用について
・照射食品反対連絡会の動き
・FSCWの活動
・やさしい「農」生物学(7)
・トピックス「米国のBSE対策のずさんさ」など
・FSCW第5回総会のご案内
巻頭言
大量にゴミとして捨てられているレジ袋をなくし、マイバッグを持参しようという運動が盛んですが、私はこの運動に強い違和感を覚えています。
東京ではスーパーのレジ袋を炭酸カルシウム入ポリエチレンにし、ゴミ袋として利用できるようになっています。私の知るどこの家庭でも、きちんとたたんで、あるいは袋や箱に入れて保管し、無料のゴミ袋として重宝しています。ムダにゴミとして捨てている人を見たことがありません。そして、こういう人こそマイバッグを持参する人なのです。
ムダにゴミになっているのは、むしろ、パン屋、本屋、洋品店などの色つき厚手の袋や、コンビニのレジ袋でしょう。特にオフィス街のコンビニやパン屋では、お昼の弁当用にこうした袋をもらい、ゴミとして捨てているようです。本屋もマイバッグ持参はなさそうです。またデパートなどの持ち手つき紙袋も、一時的な保管袋以外使用方法がなく、たまってくると、ゴミとして捨てられる運命です。
ムダに捨てられていないものを廃止・有料化し、ムダに捨てられているものはそのままになっています。どうしてこんな変なことになるのに、誰も異を唱えないのでしょうか。
お客に負担を強いるレジ袋廃止に取り組む前に、ペットボトル、トレーなど、店側だけの努力で廃止できるものから廃止すべきです。またイギリスでやっているというフードマイル表示の導入なども売る側だけでできます。消費者は地球環境へのエネルギー負荷を考えて、遠いところから運搬してきたものを買わない選択ができます。食料自給率向上は温暖化防止にもつながります。
今後ペットボトル入牛乳などというものが出回りそうですが、これこそ愚の骨頂。ペットボトルは持ち歩き、いつでもどこでも飲めるので人気があるのに、牛乳は冷蔵しなくてはならないのですから、そもそも性質が正反対です。紙パックではなく、ガラス瓶を復活させるべきところを、わざわざゴミになるペットボトルにするのはおかしいです。
リサイクルできると言っても、もういちど皿やペットボトルになるわけではありません。ゴミからゴムを作っているだけでしょう。
マイバッグ持参運動は問題の本質をすり替え、何となくエコをしている気にさせ、レジ袋の費用を消費者に転嫁するだけのように思うのは、私がひねくれているからでしょうか。
(神山美智子)