newsletter No.15

No.15

2007年12月10日

 目  次

・BSE国内対策に関するリスコミ報告
・消費者大会から「私たちの食は大丈夫?」
・ソイアクト照射事件の徹底追及を
・「暴言講演 食品添加物批判者は無知」
・トピックス「食品表示制度について」など

巻頭言

  不二家、ミートホープ、赤福から、ついに高級料亭・船場吉兆まで、今年は食品の偽装問題が相次ぎました。マスコミはこれが急に始まったかのように報道していますが、そんなことはありません。こうした問題は20年以上も前に始まっているということを、もう一度皆さんと確認したいと思い、今号から「規制緩和―食品偽装のルーツ」というタイトルで歴史を振り返る連載を始めることにしました(3面掲載)。

 また、会員の方から「中国産輸入食品の汚染問題をなぜ取り上げないのか」という批判をいただきました。中国産輸入食品も確かに問題ですが、これも昨日今日始まったことではありません。私はマスコミに対し、横浜埠頭の野積食品をぜひ取材してくださいとお願いしています。10月14日付の赤旗日曜版が写真も含め詳しく報道してくれましたが、80~90年代には消費者グループの見学ツアーが盛んでした。しかし、次第に熱が冷め今では忘れ去られています。

 私が2年前に見学に行ったとき、切ってかんぴょうで巻いて、そのまま使えそうな蕗がポリ容器に入っていてビックリしました。ばら売り食品には表示義務がないので、仮に長い間、港に放置された蕗がおでんになってコンビニの店頭で売られていたとしても、私たちには分かりません。

 問題になるたびに火がついたように報道され、そのうちまったく報道がなくなるというのは困ったものです。

 その最たるものがダイオキシンで、もう問題は終わったと誤解している方が大勢います。水産庁は毎年10月頃、魚介類のダイオキシン濃度を測定して公表していますが、今年はなぜかまだ発表がありません。

 昨年までの資料によると、最大の数値は本マグロの大トロやベニズワイガニの内臓です。カニミソのお酒で大トロの寿司を一貫食べたら、国が定めた耐用一日摂取量を超えてしまいます。E Uでは魚の規制値を定めて流通を規制していますが、日本は地中海などEU加盟国の近海で採れEUでは流通しえない魚を規制しようともしませんし、大々的に発表することさえありません。ダイオキシンは発ガン物質であり、環境ホルモンですから、妊産婦や小さい子どもは摂取しないよう食事指導が必要ですが、それすらしようとしません。

 私たちは、風に吹かれ水に流されるように、次々に情報を風化させているだけなのです。(神山)