newsletter No.21

No.21

2009年6月30日

 目  次
・第7回総会報告
・食品表示法制定への提言
・照射食品反対署名のお願い
・クローン家畜食品反対署名のお願い
・やさしい「農」生物学⑯
・FSCWの活動報告
・トピックス①「食肉の赤身化剤について」
・運営委員自己紹介

巻頭言

  現在日本弁護士連合会(日弁連)では、11月に行う人権大会シンポジウム、「消費者市民社会」のコンセプトを巡っていろいろな意見が飛び交っています。

 消費者が主体的に参加してより良い社会を作って行こうということですから、本来素晴らしいはずです。でもワーキングプア、派遣切りなど、生存ぎりぎりの暮らしをしている人、野宿者など、どうやったら消費者市民として社会形成に参加できるのか。闇金融のように、存在自体許されないものに対し、強い規制なくして消費者が立ち向かえるのか、何かと言えば自己責任論を押しつけようとする企業側に対し、どうやればその攻撃を跳ね返して消費者の主体的参加を実現できるのか。などなどです。

 食品安全問題も、収入がないのに良質な食品を求めることなど不可能とか、離婚などに悩んでいる人は、食品の安全など問題にしていられない!といつも言われてきました。

 こうした社会問題を個人1人で解決するのは難しいことですが、しかし私たちは選挙民でもあり、その選挙権を有効に使うことにより、社会を変えることができるかもしれません。毎日の暮らしに追われているからと言って選挙権を放棄したら、現政権の政策を支持したことになるので、現在の政策に反対なら選挙権を行使しなくてはなりません。

 本来食品の安全は求めなくてはならないものではなく、当然存在すべきものだと思います。小学生がお菓子を買うのに、表示を子細に検討する社会が理想とは思えません。安全な食品を誰でも手に入れることができる社会が、消費者市民社会だと思います。

 それを実現するために、その運動を誰が担うか。明日の米も宿もないのにそんな運動はやれないという意見も分かりますが、昔の米騒動は、正に食べる米のない人たちが起こしたのではなかったでしょうか。

 出来ない人に手をさしのべるのも重要な社会参加で、様々な活動が行われています。そうして多様な人たちが、自分のできることをやって行くことが消費者市民社会の形成だと思います。

(神山美智子)