newsletter No.22
No.22
2009年9月30日
目 次
・花王の健康エコナ 販売自粛に
・新連載スタート「食品と法律」
・家畜改良センター視察報告
・「食品表示法」政党アンケート結果
・アジア学院を訪ねて
・トピックス① 「ミツバチ減少はなぜ?」
巻頭言
今年7月、内閣府から「消費者の安心・安全確保に向けた海外主要国の食品に関する制度に係る総合的調査」が公表されました。とても素晴らしい内容なので、ぜひ皆さんにも一読をお勧めしますが、インターネットでダウンロードするしかありません。アドレスは下記のとおりです。大部なので、記者発表資料とEUと韓国だけを読むと良いと思います。
http://www.consumer.go.jp/seisaku/cao/kokusai/200907foodpolicy.html
調査したのはEU、イギリス、フランス、カナダ、スウェーデン、アメリカ、オーストラリア、韓国で、資料としてEU指令、韓国食品安全基本法、食品衛生法、食品表示基準など各国の法律の日本語訳が添付されています。調査によると、すべての調査国で食品表示規制は基本的に1つの法律に包括的にまとめられていた。すべての調査国において食品表示制度の目的は「消費者のための、分かりやすい表示」というものだったそうです。
EC一般食品表示指令(2000年)では、過去の指令が頻繁かつ大きく改正されてきたので、明瞭性と合理性の理由から、単一のテキストに一本化するものとすると書いてあります。日本の食品表示も改正や新設を重ねて分かりにくくなったのですから、この指令のように明瞭性と合理性の理由から一本化するべきなのです。
韓国の食品安全基本法には、食品の安全に関する国民の権利・義務と国及び地方自治団体の責任を明確にし、国民が健康かつ安全に食生活を営めるようにすることを目的とすると明記されています。食品衛生法には、消費者の衛生検査等の要請、消費者食品衛生監視員、市民監査人、消費者の衛生点検参与、食品等の異物発見報告、違反事実の公表などの制度もあります。また違反を申告した人に対する報奨金制度も盛り込まれています。一般消費者の力を取り入れようという姿勢が明確です。
韓国調査を担当された藤田哲さんは、「韓国に民主主義が根付いていることが分かった。国民の不安に効率的に対処しようとする行動が感じられた。」と書かれています。韓国は輸入件数が最大の中国に係官1名を常駐させ、輸入量が最多のアメリカには4カ所に連絡員を派遣しているそうです。
(神山美智子)