newsletter No.23

No.23

2009年12月18日

 目  次
・学習会「食品の安全性評価は」報告
・エコナ問題のその後
・既存添加物の大幅な消除
・遺伝子組み換え生物は生物多様性を脅かす
・トピックス(1)「飲むヒアルロン酸」
・トピックス(2)「遺伝子組み換え調味料まもなく登場」

巻頭言

 消費者庁に健康食品表示検討会が設置され、11月25日に第1回が開かれました。公開なので多くの方に傍聴してほしいと思います。
 最近不景気とインターネットのせいで、新聞もテレビも広告収入が減って、健康食品の広告が増えています。夜の番組やBS放送を見ていると、健康食品の通販広告が溢れています。大新聞でさえ一面広告を載せています。中には薬事法すれすれのものもあります。

 ある調査によると、購入動機の一位は健康維持、二位が健康増進ですが、三位は病気を治すためです。病気の治療は医薬品の役目であって、健康食品で病気は治療できません。国がお墨付きを与える特定保健用食品(トクホ)でさえ、医薬品と混同しないようトクホであることを明示しなくてはならないと定められています。

 こうした違法・不当な広告に対し、消費者契約法に基づく団体訴権で差し止め請求をしようと考える適格消費者団体はないものでしょうか。消費者契約法12条にはおおむね以下のように定められています。

 「適格消費者団体は、事業者等が、消費者契約の締結について勧誘をするに際し、不特定かつ多数の消費者に対して第四条第一項から第三項までに規定する行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、その事業者等に対し、当該行為の停止若しくは予防等に必要な措置をとることを請求することができる。」

 4条には、「事業者が契約の勧誘をするに際して、重要事項について事実と異なることを告げて、消費者を誤認させる行為」などと定められています。毎晩毎晩事実と異なる広告を流し続け、本当に身体に効くかのように思わせる事業者の行為は、差し止めを求めることができる違法な勧誘行為ではないでしょうか。訴訟まで起こさなくても、違法広告差し止め請求文書を出すくらいのことはしても良いのではないかと思います。具体的な勧誘行為ではないから、などと最初から諦めるのではなく、使える手段は全部使うことが必要です。

 今健康食品市場は1兆円を超えています。全部が悪質というのではありませんが、多くの消費者が無駄な物を買わされているかもしれないので、黙って見ていることはできません。

(神山美智子)