newsletter No.26
No.26
2010年9月17日
目 次
・食の安全・市民ホットラインご参加の呼びかけ
・健康食品の表示問題検討委員会を終えて
・照射食品反対連絡会の運動報告
・連載「食品と法律(5)」
・COP10/MOP5開幕を迎えて
・GMイネ裁判の控訴審第2回から第4回を傍聴して
・韓国の食品安全行政―政府機関と消費者連盟を訪問して―
・農民連食品分析センター見学会報告
・連載「やさしい『農』生物学―食の安全・安心の基礎として(21)」
・FSCWの活動と食品安全委員会の動き
・トピックス(1)「食品表示部会のGMパパイア審議」
・トピックス(2)「家畜感染症問題とアニマルウェルフェアの動き」
・FSCW運営委員会報告
巻頭言
日本弁護士連合会消費者委員会、食品安全部会委員で韓国調査に行ってきました。弁護士8人、大学教授1人、都消費者センター1人、国民生活センター1人の合計11人です。本文でも紹介しますが、あちこちの行政機関や消費者団体から、とても歓迎され、夕食までごちそうになったりしました。
とても印象的だったのは、私が、日本の「食品安全基本法には消費者の権利が書かれていない」と言ったとき、聞いている誰もが唖然とし、「なぜ」と問いかけたことです。私たちが会ったすべての人たちが、消費者の権利を守ることが使命だと言いました。
こんにゃくゼリーの規制については、規制担当の韓国食品薬品局の担当者が、「人が死んでいるのだから規制するのは当然」という姿勢でした。日本ではすでに22人も亡くなっているのに、「規制するのは当然」と言い切る役人はいません。規制しようとしている消費者庁の担当者を、食品安全委員会が呼びつけて、なぜ食品安全委員会の評価書を無視するのかと文句を言ったといううわさがあります。
韓国消費者連盟の鄭会長は、「自分たちは日本を参考にして運動してきた。まだまだ日本より遅れている」と言いましたが、消費者参加という点では、日本は韓国のはるか後ろをトボトボ歩いている状況です。
その理由として、日本の業者は、行政指導に良く従うので、権利義務の関係でしばらなくても大丈夫だからではないかと言った人もありました。
また消費者院の方は、これほどたくさんの弁護士が消費者問題に熱心に取り組んでいるのがうらやましいと言いましたが、取り組まなくてはならないほど法整備が不備というところも見逃せません。
李朝の王宮であった景福宮を見学し、ホテルの隣の天壇のような建物なども見ましたが、あちこちに、日本の韓国侵略の結果がありました。日本が焼き払ったり、重要な建物を持ち帰ったり、勝手にホテルを建てたりしたのです。
今年は日本による韓国併合100年で記念行事なども行われていました。
帰りに空港まで送ってくれたバスのガイドさんによると、韓国人は感情的、日本人はおとなしいが、最近双方の理解が深まってきたように思うとのことでした。
(神山美智子)