newsletter No.27
No.27
2010年12月14日
目 次
・食の安全・市民ホットライン提案シンポジウム報告
「市民のための情報収集・発信機関に期待集まる」
・横浜港輸入食品の保管状態を視察
・連載/食品と法律(6)「裁判と立証責任」
・日本弁護士連合会シンポジウム報告
「あるべき食品安全基本法について~食の権利宣言~」
・FSCWの活動と食品安全委員会の動き
・連載/やさしい「農」生物学(22)
「GM作物が安全性を問われる理由の具体例(4)カラシナ・ディフェンシンGMイネ(1)」
・COP10/MOP5向けイベント「プラネット・ダイバーシティ」報告
・トピックス「またもやポストハーベスト農薬を食品添加物に指定へ」
・FSCW運営委員会報告
巻頭言
前号で紹介した韓国調査に同行された、日弁連消費者委員会の津谷裕貴委員長が殺されてしまいました。私はあまりのショックで、身体が震えました。
報道によれば、秋田県警は、「拳銃を持っている津谷弁護士を容疑者と勘違いしたのは事実」としていた刑事部長の説明を訂正し、「駆け付けた時に一人が拳銃を持っていたので、危険除去のため取り上げようとしたやむを得ない行為だった。容疑者と被害者を取り間違えたわけではない。」と言い直し、また耐刃防護衣や警棒などについての「常時着装を指示しておくべきだった」との発言も、「規範に違反しているという認識はない」と改めたのだそうです。
同じ新聞に、故津谷裕貴弁護士の会事務局長近江直人弁護士の発言が紹介されていますが、紙面の都合でカットされて不十分なものになっているとか。近江弁護士は、「けん銃のことしか念頭になく、犯人がどちらかも考えず、他の凶器の存在の可能性も考えず、取り押さえられていない他方の行動の可能性も考えていない。現場における対応として全く不十分、いい加減といわざるを得ないのではないか。みずからの不十分さをさらけ出す言い分であり、結局保身のための言い分ととらえられてしまう。このコメントを聞いた遺族や市民は、秋田県警に対しさらに不信感を抱くのではないか。」という趣旨のコメントをしたのだそうです。
こんなことでは、被害者が110番通報を控えることも起きるかもしれません。ちなみに私は、夜間、交通事故を目撃して110番通報したのに、電話が少しも通じなかったという経験があります。
最近、地下鉄のコンコースなどに、犯罪被害者ホットラインなどのポスターが貼ってあるのを見かけます。しかし警察は、被害者の言い分をなかなか信じてくれません。詐欺で告訴したら、金が目当てかと言われたこともあり、被害者の代理人である私に、「不満があるなら公判で争ってくれ」と言い捨てた警察官もいたのです。
(神山美智子)