newsletter No.43

No.43

2014年12月19日

 目  次

・新しい機能性表示食品にどう向き合うか?
・政党アンケート「食の安全に対する考え方」 8政党中6政党が回答
・食品表示法表示基準の実施を5年延期!
・連載35 やさしい「農」生物学
・トピックス①食品添加物指定に拍車がかかる!
・トピックス②いま言いたい!TPP交渉
・トピックス③築地でええじゃないか!パレード
・トピックス④「ミツバチを守ろう集会」を開催
・FSCW運営委員会報告

巻頭言

 友人の澤藤統一郎弁護士が、化粧品やサプリメントを販売しているDHCと吉田嘉明会長から訴えられています。
吉田嘉明氏が週刊誌の取材に応じた独占手記「さらば 器量なき政治家 渡辺喜美」借金8億円を裏金にして隠した「みんなの党」代表者へ、という実名告発記事から、渡辺喜美氏だけでなく、吉田会長を「金で健康食品の規制緩和を買おうとした」として、ブログで批判したことが発端です。
このブログの記事が名誉毀損であるとして、2000万円の損害賠償を求められ、澤藤弁護士が、この訴訟を言論弾圧のスラップ訴訟だと書いたら、さらに4000万円の損害賠償を求められたものです。

スラップ訴訟については、兵庫県弁護士会の小沢秀造弁護士が、『環境と正義』という雑誌に、「上関のいやがらせ(SLAPP)訴訟について」という記事を書いています。原発のための埋め立て反対運動に対し、中国電力が、地元の漁民に、埋め立てを妨害しているとして4500万円強の損害賠償請求をしたものです。SLAPPとは、Strategic Lawsuit Against Public Participationの略で、公の場で行動を起こした権力を持たない比較弱者に対して、企業や政府など比較強者が、恫喝、発言封じ、場合によってはいじめることだけを目的に起こす加罰的、あるいは報復的訴訟と説明されているそうです。
DHCは、他にも、東京地裁に10件弱の訴訟を提起しており、被告は出版社やジャーナリストです。

ところで、安倍首相の「健康食品の機能性表示を解禁します」という鶴の一声で、機能性表示が閣議決定され、消費者庁は来年4月実施を目指して準備中です。この制度では、企業が自分で評価して届け出るだけで、機能性を表示できます。しかも最初に消費者庁が明言していた工場の安全基準(GMP)義務付けもどこかへ飛んでいってしまいました。

私たち食の安全・監視市民委員会は、現在、巷にあふれるいわゆる健康食品による被害救済や取り締まりこそ必要であって、このような制度は反対であるという意見を出し続けています。選挙に際し、このテーマも含め、各政党にアンケート調査をしました。
 選挙が終わり、最低投票率のもと、各党の得票率をかけ離れた政界地図が決まりました。残念ながら機能性表示にストップをかけられそうもありません。

(神山美智子)