newsletter No.49

No.49

2016年6月30日

 目  次

・総会記念講演会報告「遺伝子組み換え食品の流通から20年」
・築地市場の豊洲移転に黄信号
・連載:食品と法律(23) 加工食品の原料原産地表示
・日本の残留農薬基準では胎児の健康が守られないわけ
・TPP協定 審議は秋の臨時国会へ
・第14回総会報告
・トピックス「米バーモント州のGM表示開始を前に食品企業が相次いでGM表示を表明」
・FSCW運営委員会報告
・「食の川柳」募集のお知らせ

巻頭言

 5月22日付東京新聞「本音のコラム」に、法政大学教授の山口二郎氏が、「文明の終わり?」というタイトルの文章を書いています。
 オリンピック招致を巡る不正資金疑惑について、安倍首相の「アンダーコントロール」発言とコンサルタントへの資金提供が、福島第一原発による放射能汚染という国際社会の最大の懸念を覆い隠したとするものです。
 先日、大学時代の同級会があり、出席者から、日本の一流と言われる大企業の不祥事続発について、「日本は内部から崩壊しているのではないか!」という発言がありました。

 マンションのくい打ち偽装、東芝の不正経理、三菱自動車などの排ガス偽装、東亜建設工業による空港などの耐震工事偽装などなど、大企業の堕落としか言えない数々のできごとを見ると、本当にそのとおりだと思われます。
 そんな中で政府は、脳天気な伊勢志摩サミットなどを開き、多額の予算を使って大規模な警戒態勢も敷きました。舛添都知事のせこい公私混同も困りものですが、権力者のパフォーマンスのためのサミットやオリンピックなど、まったく不要です。毎日のように鉄道で人身事故が発生しています。人々はそこまで追い詰められているのです。

 現政権の担い手たちは、こうして多くの国民が困窮しているのに、何らの痛みも感じないのでしょう。そうでなければ、沖縄で女性が殺され遺棄された事件について、「タイミングが悪い」などという発言が出るはずもありません。
 しかし「国民は自身のレベルにふさわしい政府を持つ」ということわざからすれば、そのような非道な政府を許しているのは、私たち国民ということになります。各種世論調査で、安倍内閣の支持率が40%もあるという報道がありますが、私の周りには、安倍内閣支持者が一人もいません。いったいその40%はどこにいるのでしょう。サミットのニュース映像で、オバマ大統領に熱狂する人たちは40%の内かなと思い当たりました。

 今年の夏には参議院議員選挙があります。国民が国会に対して意思を示せるのは国会議員選挙しかないのですから、目先の利益だけではなく、次世代に負の遺産を残さない選択をしなければならないと思います。

(神山美智子)