newsletter No.65
No.65
2020 年6 月30 日
目 次
・食品添加物の人工・合成削除について
・種苗法改正と食の安全
・食品と法律(36) 新型コロナウイルス感染症と食品 テイクアウトと宅配
巻頭言
災害は、社会のもっとも弱い部分を白日の下にさらすと多くの人が言っています。新型コロナウイルス感染症は、私たちの社会がどうしようもないほど壊れていることをいやというほど見せつけてくれました。
マスクが品切れになって初めて、輸入に頼っていることがわかりました。アベノマスクもにわかに仕入れた輸入品でした。観光立国・インバウンド消費などという外貨頼りの政策、外国人労働者を技能実習生などという良さそうな名前で使い捨てていたことも、いかに危ういものであるか良くわかりました。
長年続いた国家公務員定員削減政策も、保健所切り捨て政策も、採算のとれない病院を再編しようという政策も、すべて大間違いだったのです。
しかも働き方改革という美名のもと、非正規雇用を拡大したため、大勢の失業者を生むことになりました。
事業者に対する持続化給付金事業で、再委託・再々委託・下請けなど税金を中抜きしていた事実が明らかになって、時代劇を思い浮かべてしまいました。代官が大店の主人と共謀して官製談合・中抜き・賄賂などを繰り広げ、「お主も悪よのう!」となるのが勧善懲悪時代劇のメインテーマです。これが21世紀まで続いているわけですね。ここに派遣事業を営むパソナも食い込んでいます。
コロナ後の社会を再構築するには、食料自給をまず第一に取り上げなくてはなりません。それも有機栽培を原則にし、若者が希望をもって働ける道をつけてほしいです。添加物の専門家である中村幹雄さんによると、日本ではビタミン原末を一切作っていないそうです。食料のみでなく、医薬品も添加物も輸入頼みでは、私たちの社会に将来はありません。
人口が減り、過疎地が拡大する中、私たちが生き抜く抜本的な政策を築くことは可能だし、必須だと思います。私は超高齢者なのでなんの役には立てませんが、今学校にも行けない若い方に、生きる力を発揮してもらえる政策がきっとあるはずです。
余談ですが、小松左京の『復活の日』はコロナ禍を予言しているような面白い本です。たとえば、◇巨人広島戦両軍選手多数インフルエンザのため、ついにお流れ ◇映画製作中止続出などなど、現代に重なる描写があります。
神山美智子(代表)