容器包装の表示に関する申入れ書
21FSCW4号
2021年10月14日
内閣総理大臣 岸田文雄 様
厚生労働大臣 後藤茂之 様
消費者庁長官 伊藤明子 様
消費者委員会委員長 後藤巻則 様
食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子
容器包装の表示に関する申入れ書
前文 略
食品・食品添加物には、食品表示法に基づく表示基準が定められていますが、容器包装については、これまでこの法律の対象になっていません。
食品衛生法第19条には、以下のとおり定められています。
「内閣総理大臣は、一般消費者に対する器具又は容器包装に関する公衆衛生上必要な情報の正確な伝達の見地から、消費者委員会の意見を聴いて、前条第一項の規定により規格又は基準が定められた器具又は容器包装に関する表示につき、必要な基準を定めることができる。
②前項の規定により表示につき基準が定められた器具又は容器包装は、その基準に合う表示がなければ、これを販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。」
食品用容器・包装については、家庭用品品質表示法に基づき、プラスチック製品等の表示基準が定められ、また容器包装リサイクル法に基づく識別表示基準もあります。
しかし内部に食品を含む容器(パックだし)などについては、リサイクル法による識別表示による材質以外、その材質の種類に関する表示がありません。
カナダ・マギル大学の研究チームによる実験では、一般に流通している紅茶4種類を使い、ティーバッグ1袋あたり、約116億のマイクロプラスチックと、31億のナノプラスチック(マイクロプラスチックより千倍小さい粒子)がお湯の中に放出されていることが分かりました。
このことは、(パックだしの)パックからもマイクロプラスチックが検出される可能性があることを示唆しています。
しかし、予め食品であるだしが入った(パックだし)の包材の材質が何であるか、プラスチックであれば、その材質の種類など、表示がない限り選択の判断ができません。
よって食品衛生法18条に基づき規格・基準が定められている容器・包装について、表示基準を定めるよう申し入れをします。
また食品表示法を改正して、表示基準を定める対象を食品・添加物だけでなく、予め食品が入ったパック・小袋などの容器についても表示基準を設定できるようにすべきです。
これに対し、11月20日限り回答をされたく合わせて要望します。
以上