熊本県産アサリ産地偽装問題に関する消費者権利問題に基づいた質問とお願い(熊本県宛て)
21FSCW11号
2022年2月8日
熊本県知事 蒲島郁夫様
食の安全・監視市民委員会
代表・神山美智子
<公印省略>
熊本県産アサリ産地偽装問題に関する消費者権利問題に基づいた質問とお願い
食の安全・監視市民委員会は、食の安全問題を調査し、政府や事業者等に様々な意見・要望等を行うことを目的として2003年に設立された市民・消費者団体です。また、2010年に発足した「食の安全・市民ホットライン」(消費者等から食に関する不具合情報を受け付け、検証後、主に行政、事業者等に改善の提言をする消費者保護活動を実施中)のコア団体も担っております。
2022年1月、一部報道により、熊本県産が実は中国産だったというアサリ産地偽装事件が発覚しました。当会として「表示偽装」は、消費者基本法の理念に反し、極めて悪質な消費者の権利を損なう事案であると位置付けており、本件事案は極めて遺憾です。消費者庁・消費者委員会発足の契機の一つにもなった「産地表示の偽装防止」が完全に反故にされ、長期間・継続的に偽装食品の販売が放置されて、消費者が損害を被ったという事実は、当会として見過ごすことはできません。
そこで、消費者の権利や選択する権利の実現を目指す当会としましては、消費者目線に立った抜本的な「表示偽装の撲滅」を目指す観点から、以下の点について、情報開示および質問への回答を求めます。なお、お忙しい中申し訳ございませんが、回答は、2022年3月3日までにお願いします。また、回答は当会公式サイトに公開することを予めご了承ください。
記
1.2022年2月1日、熊本県知事のアサリ偽装問題の臨時記者会見において、熊本県独自の「産地偽装110番」を開設するとの、本件事案の問題解決に向けた具体的施策の一つを示しましたが、氏名、連絡先を書いて通報してきた消費者に対し、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)45条2項、3項に書かれている申告制度のような制度を導入し、熊本県へ通報した消費者に対して熊本県の調査結果を報告するという取組みはされないのでしょうか。また、「産地偽装110番」の運用実績の公開はされないのでしょうか。
2.熊本県において、今後、再発防止策の一つとして、独自の条例制定などによる熊本県産偽装事業者に対する課徴金や罰金制度等の導入の検討はされるのでしょうか。
3.今後、熊本県産農産物 、水産物において、県独自の外部からの検証可能な食品トレーサビリティ制度の導入、充実、強化を図る予定はないでしょうか。
4.2022年2月1日、熊本県知事のアサリ偽装問題の臨時記者会見で示された「熊本産アサリブランド適正化協議会(仮称)」のYouTubeなどによる公開審議および、食の安全問題に詳しい消費者団体関係者及び法曹関係の人を協議会委員に加えるべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。
以上
<連絡先>
食の安全・監視市民委員会
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
Tel:03(5155)4765 Fax:03(5155)4767
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