特別決議 ゲノム編集食品に環境影響評価と食の安全審査、表示を求めます
特別決議 ゲノム編集食品に環境影響評価と食の安全審査、表示を求めます
昨年、初めてゲノム編集食品が国内市場に登場しました。9月にはトマト、12月にはトラフグとマダイのネット販売が始まりました。世界的に見ても、まだ米国で大豆の栽培が行われているだけで、しかもその大豆も栽培中止寸前になっており、日本だけが突出したゲノム編集食品大国になろうとしています。
しかも、このゲノム編集食品が不評であることから、販売者はトマトに関しては小学校や福祉施設に苗の無償提供を決め、トラフグに関しては地元・宮津市でふるさと納税の返礼品に採用させるなど、強引な売り込みを図っています。
このゲノム編集食品に関して、政府は環境影響評価も食品としての安全性評価も必要ないとしました。しかも届け出を任意としたため、食品表示に関しては審議もほとんど行われませんでした。
ゲノム編集は、生命の根幹を操作する技術であり、地球上の生命系にどのような影響を及ぼすか、まったくわかっていません。特に問題になっているのが、意図しない個所の遺伝子を壊すオフターゲットと、遺伝子を破壊した個所で起きる大規模なDNAの欠落といった染色体破砕が起きやすいことです。また魚など動物ではゲノム編集した細胞としない細胞が入り乱れるモザイクと呼ばれる現象が起きやすいこと、その他にもさまざまな予期しない変異が起きることが考えられます。これらの現象が、生命体に大きな影響をもたらし、食の安全を脅かします。
私たちは、環境を守り、食の安全を守り、消費者の権利を守るために、政府に対してゲノム編集作物や魚や家畜などの動物の環境影響評価を行い、食品の安全審査を行い、届け出を義務化し、食品や種苗への表示を行うことを求めます。 以上、決議します。
2022年4月23日
食の安全・監視市民委員会第20回総会参加者一同