総選挙にあたり、各党に食の安全に関する政策について質問を送付

衆議院が解散され、総選挙が実施されるにあたり、食の安全・監視市民委員会は各党に食の安全に関する政策について質問状を送付しました。


24FSCW第3号
2024年10月7日

各 党 御 中

食の安全・監視市民委員会
共同代表  佐野真理子
同   山浦 康明

食の安全に関する政策について

私たち「食の安全・監視市民委員会(以下、当会)」は、市民の立場から、食の安全に関して食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省、消費者庁、消費者委員会などに提言を行うとともに、食品関連事業者を監視し、食の安全性と信頼を確立させることを目的として、2003年4月に設立した市民団体です。
このたび行われる衆議院総選挙は、私たちの生活にとって重要な食の安全についても方向性を決定する大きな選択の機会です。いうまでもなく、食品表示は、私たちが毎日食べている食品を知り、選ぶことができるための貴重な情報であり、消費者の権利そのものです。消費者にとっての食品表示とは、学習しなければ理解できないものではなく、子どもから高齢者まで、誰にも分かりやすく、正しく、消費者の権利を保障するものでなければなりません。
しかし、この間、食の安全行政はないがしろにされてきました。特に、小林製薬の「紅麹サプリメント」にみられるように、機能性表示食品制度については抜本的な検討が必要です。一方、ゲノム編集食品にいたっては表示を義務付ける制度すらありません。
また、有機フッ素化合物(PFAS)についても、私たちはミネラルウォーターやアサリについて検査を行い、早急な対策を求めてきましたが、対策は不十分なままです。
つきましては、衆議院総選挙に臨むにあたり、こうした問題に対する各党の考え方をお聞きし、その結果を公表して、国民の投票の参考になればと考えました。下記項目に対する貴党の政策をお聞かせいただきますようお願いいたします。ご回答は10月17日(木)までにお願いします。なお、この内容につきましては、私たちの機関誌やホームページなどで紹介することをあらかじめご承知おきください。

1.「機能性表示食品」をはじめとした健康食品問題について
小林製薬の機能性表示食品「紅麹サプリ」によって、死亡を含む重大な事故が発生しました。機能性表示食品は、消費者庁に定められた書類を届出れば、事業者の責任において、それらの機能を表示できることから、その市場は急拡大してきました。私たちは、当初から機能性表示食品制度に反対してきましたが、改めて制度の廃止を求めています。また、医療機関との連携、健康被害事例の迅速な公表、製品の販売後の事後チェックの全面公開、サプリメント形状の食品全般の新たな規制法の導入、消費者被害の救済制度の導入、インターネットCMを含む「健康食品」の宣伝・広告の規制を強化すべきであると考えています。機能性表示食品を含む「健康食品」に対する見解を伺います。

2.ゲノム編集食品について
新しい遺伝子操作技術であるゲノム編集技術を応用した食品について、環境省、農林水産省、厚生労働省は、食品安全及び環境影響の審査を行なわず、届出さえも任意として生産・流通を容認し、消費者庁は表示の義務付けをしない決定をし、すでに国内市場に登場しています。安全性が確立していない食品が流通することは、想定外の有害作用のリスクを消費者に押し付け、環境にも悪影響をたらすものです。
私たちは、ゲノム編集食品の届け出義務化と安全性評価、環境影響評価の実施、食品や種苗への表示の義務付けを求めています。ゲノム編集食品に対する見解を伺います。

3.有機フッ素化合物(PFAS)について
有機フッ素化合物(PFAS)をめぐり、各地で地下水や水道水汚染が起き、住民の健康影響が出てくる可能性があるなど深刻な社会問題になっています。PFASが汚染しているのは水だけでなく、海に流れたPFASは魚介類を汚染し、田畑に散布される農薬にもPFASが使われています。また、身近な生活の中でも広く使われています。
私たちは、PFASに対する規制の強化を求め、水道水の水質基準強化、食品の基準の策定、汚染源の解明・浄化措置の実施、汚染地域住民の血液検査と健康影響調査の実施などを求めています。PFASの規制に対する見解を伺います。

4.食品添加物の表示について
消費者庁は、2020年に食品添加物の表示の改正を行いました。しかし、表示を拡大・充実させようとの方向はまったくありませんでした。現在の添加物表示は、一括名表示、表示免除や省略などの例外を設定しており、消費者を誤認させる恐れがあります。
私たちは原則に戻り、使用した食品添加物を物質名で、全部表示することを求めています。添加物表示に対する見解を伺います。

5.加工食品の原料原産地表示について
加工食品の原料原産地表示をめぐっては、例えば食パンでは「小麦粉(国内製造)」と表示され、輸入原材料を使用していても(国内製造)と記載することによって国産原材料使用だと誤認を招いています。また、3か国以上の国から原材料を輸入した場合、「大豆(輸入)」と大括り表示がされています。加工食品のこうした表示を改善し、生鮮原材料に遡って原産地表示をするべきです。加工食品の原料原産地表示に関する見解を伺います。

以  上

送付先
自由民主党
立憲民主党
公明党
日本維新の会
日本共産党
国民民主党
社会民主党
れいわ新選組
NHK党
参政党