「トランス脂肪酸の使用規制と含有表示義務化を求める申し入れ」について(回答)

2006年12月21日付け 06FSCW第11号「トランス脂肪酸の使用規制と含有表示義務化を求める申し入れ」について

標記について貴団体から頂きました申し入れに対し、下記のとおり回答いたします。

平成19年1月30日
厚生労働省医薬食品局食品安全部
基準審査課新開発食品保健対策室

回答

 トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなどの加工油脂や、これらを原料として製造される食品のほか、自然界においても牛などの反芻動物の脂肪や肉などに含まれる脂肪酸の一種であり、大量に摂取することで、動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めるとの報告があります。また、飽和脂肪酸と同じように、トランス脂肪酸の摂取と心臓疾患のリスク増大には相関関係がある可能性が指摘されています。

しかし、現在の日本人の食生活では、トランス脂肪酸の摂取量は少なく、平成16年7月に内閣府食品安全委員会より、健康への影響は小さい旨の報告がなされているところであり、現時点では、貴団体より要請のあった事項について対応を行うことは考えておりません。
なお、貴団体よりご指摘のあった肥満に関する対応につきましては、「食生活指針」や「健康日本21」の策定等を通じ、バランスのとれた食生活の普及を推進しているところです。そもそもトランス脂肪酸は、水素添加処理のなされていない牛乳、バター、ヨーグルト等にも通常含まれているものであり、コレステロールや飽和脂肪酸と同様、とりすぎが問題となります。脂肪は三大栄養素の中で単位当たり最も大きなエネルギー供給源で脂溶性ビタミンの溶媒になる大切な栄養素ですが、全体量のとりすぎに注意が必要です。

トランス脂肪酸の取扱いについては、今後、内閣府食品安全委員会やコーデックス等の動向を注視しながら、対応を検討していきたいと考えております。

以上