9 月14日、食品安全委員会委員会・遺伝子組換え食品等専門調査会は、味の素が申請していた、遺伝子組み換え技術を用いた食品添加物のアミノ酸2 種類を安全と評価しました。この評価では不十分であり、評価のやり直しを求めます。 理由を述べます。1、これまで遺伝子組み換え食品添加物で承認されたものは多数ありますが、大半がアルファ・アミラーゼのような酵素で、生産性向上などを目的に、加工の際に補助する役割のものがほとんどで、アミノ酸のように、調味料として直接、食品に用いられるものはありませんでした。しかも、この2つのアミノ酸は、いずれも食品添加物としてさまざまな食品に使われているため影響が大きいといえます。2、遺伝子組み換え技術を用いると、どのような予期しない問題が生じるか分かりません。同じ作り方で製造された、昭和電工のトリプトファン製品が、多数の死者・健康被害者を出しています。慎重さが求められているはずです。 3、今回の2種類のGMアミノ酸は、遺伝子組み換え技術を細菌の能力アップを目的としたものであって、食の安全よりも生産性向上を優先した考え方に基づいています。どんなに精度を上げても、ごく微量な不純物は生じます。遺伝子組み換え技術を用いた際に生じる細菌由来の不純物の怖さを改めて認識すべきです。従来の製造方法でなぜいけないのでしょうか。細菌を遺伝子組み換え技術で改造する必要はまったくありません。 4、食品安全委員会の専門調査会は、安全と評価する前に、少なくともトリプトファン事件の徹底究明が必要です。この事件を甘く見た付けを支払うのは、消費者だからです。 5、パブリック・コメントが形骸化しており、意見を募集して参考にはするが、一度も聞き入れない、という事態がつづいています。単に聞いて置くという姿勢は、リスクコミュニケーションになっていません。抜本的な変更を求めます。 |