「プリオン評価書(案) ~牛海綿状脳症(BSE)に係る食品健康影響評価」に対する公開質問状 及び同「評価書案」の白紙撤回を求める要請書
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食品安全委員会 委員長 熊谷進様 プリオン専門調査会 座長 酒井健夫様 | |
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9月5日付プリオン専門調査会の「プリオン評価書(案) ~牛海綿状脳症(BSE)に係る食品健康影響評価」に対する公開質問状 及び同「評価書案」の白紙撤回を求める要請書 |
私たちは消費者運動、市民運動の中で食の安全に取り組んでいる団体です。食品安全委員会のプリオン専門調査会は9月5日「プリオン評価書(案)~牛海綿状脳症(BSE)に係る食品健康影響評価」(以下「評価書案」)を公表し「牛海綿状脳症(BSE)対策の見直しに係る食品健康影響評価」をまとめました。それらの評価はBSE対策の国内措置、貿易措置を緩和してもよい、と結論づけています。その評価の方法及び緩和の根拠、内容には以下のように問題があると考えます。各項目につき納得のいく説明をお願いいたします。 ご回答を10月24日までに文書でお寄せいただきますようお願いいたします。 |
記 |
1、BSE検査について、30ヶ月齢以下を不要とする、との評価の根拠について具体的な説明を求めます。 (理由) 日本では21、23ヶ月齢のBSE牛(03年)も見つかり、そこではBSEプリオンの存在も確認されています。12年4月に米国で発見された1頭も含め、これらは非定型であったとして過小評価されています。しかしL-BSE型(日本の23ヶ月齢もこれに該当)で人への感染の可能性があることは「評価書案」でも認めています。また非定型は白だとはいえずまた科学的に「分からない」ことが多いことも「評価書案」は認めています。 2、飼料規制が世界的にも強化され、BSEの発生を抑制している、と評価していますが、文献によって制度を調査したにすぎず、飼料規制の各国での実体は明らかではありません。具体的にどのように調査をし検証したのか説明してください。 (理由) 3、食品安全委員会が30ヶ月齢以下の牛の特定危険部位(SRM)の除去をリスク管理部門が行わなくてもよいと判断している理由を具体的に説明してください。 (理由) 4、以上より、BSE検査について、30ヶ月齢以下を不要とすること、飼料規制とBSE発生の因果関係は証明されたとの前提に立っていること、30ヶ月齢以下の牛のSRMの除去をリスク管理部門が行わなくてもよいと判断していると受け取られること等、この「評価書案」は米国からの輸入牛肉について大幅な規制緩和にお墨付きを与え、TPP参加のための条件を作る政治的意図を持っていることが疑われます。10月10日まで行われたBSE対策に関するパブリックコメントにおいても、こうした「評価書案」をもとにした意見募集では、消費者の意見を的確に行政に反映させることはできません。食の安全を犠牲にし、米国の意にかなった規制緩和を認めることにつながるこのような「評価書案」は白紙撤回することを要請します。 |
以上 |