TPP協定案の日本語での公開要請および質問
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内閣総理大臣 安倍晋三様 TPP担当大臣 甘利明様 | |
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TPP協定案の日本語での公開要請および質問 |
2015年10月5日、TPP協議は大筋合意したとされましたが、日本政府はその合意内容の概略を公表するのみで詳細を未だに明らかにしていません。国民に十分に情報公開すべきです。11月5日にニュージランド政府が英文で協定文を公開しましたが、その内容からは日本政府の説明が不十分で誤解を与えるものであり、私たちは以下のような疑問・懸念を抱かざるを得ません。私たちは日本政府に対し、食の安全に関して、まず協定文第7章「SPS」第8章「TBT」の全文を日本語で公表することを求めるとともに以下の疑問に明確に回答することを求めます。2015年12月11日までに文書でご回答ください。 |
記 |
1)第7章、8章につき全文の日本語訳とともに、交渉におけるサイドレターも英文・日本文で公開し、条文の解釈を明らかにされたい。 (私たちの懸念)協定文は抽象的な合意の表現を取り実際の詳細なルールは交渉当事者の合意によることとなる。サイドレターの公表により今後のルールを明確に示す必要がある。 2)第2章「内国民待遇及び物品の市場アクセス」第29条「モダンバイオテクノロジー産物の貿易」において、輸入時にコンタミネーションが存在した場合など、問題解決のために作業部会を設置することを含め、情報交換のための作業部会を開くと規定しているが、その組織の法的性格、輸入国の執行に対する権能などを明らかにされたい。 3)日本が予防原則に基づき、安全性確保のために執る措置はこの協定で保障されるか。またSPS委員会の詳細を明らかにされたい。 4)第7章第7条の「地域的状況、ゾーニング、コンパートメント」などの概念を認めることは、病害虫、疾病を国境対策として行う国の権限を制限し安易に貿易優先の考え方を持ち込むことになるのではないかという点について明らかにされたい。 5)物品の引き取りについて第5章「税関当局及び貿易円滑化」第10条では「48時間以内」とのルールを設けているが、これは検疫において安全性を軽視することにならないかという点について明らかにされたい。 6)第8章「貿易の技術的障害(TBT)措置」において、「透明性の確保」との表現で各国の食品表示基準の策定において海外の利害関係者が関与できる仕組みが導入されるのではないか。またTBT委員会の詳細を明らかにされたい。 総じて、私たち消費者は、農産物・食品の貿易の極端な自由化が進み、各国の農業、地域社会が崩壊することとともに、貿易拡大でグローバル企業だけが利益を得て食の安全が軽視されかねないことを懸念する。 |
以上 |