遺伝子組換え表示制度に関する検討会への要望書

17FSCW第26号
2017年6月30日
消費者庁長官 岡村和美様
遺伝子組換え表示制度に関する検討会座長 湯川剛一郎様
食の安全・監視市民委員会
代表 神山美智子

遺伝子組換え表示制度に関する検討会への要望書
 食の安全・監視市民委員会(以下、当会)は、食の安全問題を調査し、政府や事業者等に様々な意見・要望等を行うことを目的として、2003年に設立された市民団体です。

当会は、現行の遺伝子組換え表示制度が消費者の知る権利・選ぶ権利を保障しない、問題の多い制度であると考えており、制度改正を長年にわたって要望してきました。2017年4月に「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」が始まったことで、消費者の権利を尊重する制度に改められることを期待しています。しかし、これまでに開催された2回の検討会では、検討会委員から消費者基本法、食品表示法の基本理念として尊重すべきとされている消費者の権利への言及がほとんど聞かれず、今後の議論の行方を危惧しています。

5月20日開催の第2回検討会では消費者団体等からのヒアリングが行われましたが、自身が所属する事業者の取り組みについて説明する発表者がいたことは、由々しき問題です。ヒアリングが行われた4団体のうち、純粋に消費者団体代表と言える発言者が2名にとどまっていたことも問題です。消費者の視点で遺伝子組換え表示問題に取り組んでいる団体を選定するべきです。

さらに、関係者からのヒアリングの設定にも疑問を持っています。消費者団体からのヒアリングが1回であるのに対し、事業者の場合は2回予定されているのは、明らかに公正を欠いています。消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会を実現することを使命に掲げる消費者庁は、何よりも消費者の意見を優先してきちんと聞くべきです。
これらを踏まえ、以下、要望します。

1.遺伝子組換え表示制度に関する検討会での議論は消費者の知る権利・選ぶ権利の尊重を最大の使命とすること

2.遺伝子組換え表示制度に関する検討会は、遺伝子組換え表示問題に取り組んでいる消費者・市民団体から改めてヒアリングを行うこと

以上